院長挨拶

2020年4月より当センターの院長を務めている山口でございます。日ごろより当センターの運営にご協力頂きありがとうございます。
当センターの前身は大阪府立結核療養所羽曳野病院であり、昭和27年(1952年)に大阪府の結核医療を担う病院として320床で開院しました。その後、昭和51年大阪府立羽曳野病院と名称変更し、さらに平成15年(2003年)には大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターへと名称を変更しました。そして、平成29年(2017年)に府立5センターの名称変更に伴い、現在の大阪はびきの医療センターへと改称しました。その間、結核はもとより難治性の呼吸器疾患とアレルギー疾患の専門病院として専門医療に対応して参りました。昭和32年(1957年)に1000床にまで増えた病床は結核患者数の減少と共に結核病床を60床まで減らし、一般病床は366床として、総病床数は現在426床となっています。平成30年にはDPC対象病院へ移行し、さらに大阪府アレルギー疾患医療拠点病院に指定されています。
開院以来70年近くなり、当初の対象患者であった結核患者に変わり、慢性閉塞性肺疾患等の慢性呼吸器不全患者の増加に加えてアレルギー疾患が多様化してきております。さらに肺癌が死亡率第一位となり、昨年から猛威を振るっているCovid-19 をはじめとして新興感染症が毎年のように発生してきています。
当センターはこのような疾患構造の変化に対応するために院内に各疾患に対するセンターを下記のように設置しております。
- 呼吸ケアセンター
急性呼吸不全の集中治療から慢性期の治療とケア - 腫瘍センター
肺癌をはじめとして各種癌の診断から治療と緩和ケア - 感染症センター
結核予防の地域活動から結核と結核後遺症、新興感染症、2類感染症に対する診断と治療 - アトピー・アレルギーセンター
重症のアトピー性皮膚炎、難治性喘息、食物アレルギー等の治療
さらには、地域の基幹病院として、循環器内科、消化器内科、乳腺外科、泌尿器科、眼科の一般診療を行うと共に産科診療施設の減少に対してはNICUや助産師外来を開設して周産期医療にも注力しています。
そして治療と看護、在宅療養との間の調整を看護師と薬剤師の専門スタッフが担っています。特に外来では呼吸器看護専門外来やがん看護専門外来を専門認定看護師が担当し、薬剤師外来では専門薬剤師が抗がん剤の服薬と副作用確認や小児喘息の吸入指導を行っています。
現在、病院敷地内に2023年度春に開院が予定されている新病院の建設工事が進んでおります。今後は、専門医療の強化を図ると共に、更に一般診療の充実に努める予定です。2021年度に認定された地域医療支援病院の責務として病診連携をなお一層すすめていき、南河内地域の基幹病院としての責務を果たし、「地域に信頼されて、地域になくてはならぬ病院」を目指し、職員一同、改善に努めております。今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター
院長 山口 誓司