感染対策チーム(ICT)

ICTについて

ICTとは感染対策チーム(Infection control team)の略で、院内で起こる様々な感染症から患者さまや職員の安全を守るために活動する組織で、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務職員で構成されています。私たちICTは、全部署、全職員対象に以下の様な活動をしています。

  1. 感染症サーベイランス(現状の把握)
  2. 環境衛生ラウンド(安心、安全な環境づくり)
  3. コンサルテーション(適切な医療の提供と職員教育)
  4. 手指衛生を始めとする感染対策の教育(院内感染対策)
  5. 抗菌薬適正使用カンファレンス(適切な感染症治療と薬剤耐性菌対策)
  6. 針刺し防止やワクチン接種プログラムでの職員の感染防止(職員の健康管理)

ICTの組織と活動内容

当院では、①呼吸ケアセンター(重症肺炎、急性呼吸不全、COPDなどの診療)、②感染症センター(肺結核、重症感染症、輸入・新興感染症などの診療)、③腫瘍センター(肺がん、消化器がん、子宮がんなどの集学的治療と緩和医療)、④アトピー・アレルギーセンター(皮膚、呼吸器などのアレルギー疾患の診療)の専門医療ユニットと、産婦人科、消化器外科、乳腺外科、循環器内科、眼科の5診療科が、高度かつ幅広い診療を推進しています。
ところが医療の高度・専門化に伴い、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や多剤耐性緑膿菌などの「薬剤耐性菌」による感染症が多くの医療施設や市中で増加しています。また海外への旅行者や企業進出の増加、また海外からの入国者の増加に伴い、マラリア、デング出血熱などの「輸入感染症」、さらに話題となった新型インフルエンザや中東呼吸器症候群などの「新興感染症」に一般の方々が感染する危険性も高まっています。
私たちICTは全診療科の医師、認定看護師、認定薬剤師、認定検査技師、事務職員を含む病院横断的な組織であり、①全部署・全スタッフを対象とした「ICTラウンド」、②「コンサルテーション」、③薬剤耐性菌、抗菌薬長期投与例や医療関連感染の「サーベイランス」と、④全部署を対象とした「環境衛生」、⑤手指衛生や抗菌薬適正使用などの「病院感染防止」、⑥ワクチン接種、針刺し対策などの「職業感染防止」の教育と徹底により、感染対策に対する意識向上に努め、「病院内での感染症発生を可能な限りゼロにするぞ!」を合言葉に、「職員一人一人の、薬剤耐性菌の発生と伝播、病院感染症および自らの職業感染の発生を予防できるレベルへの到達」を目標にしています。

感染症センター、検査科、臨床研究センターとの協力による南大阪地区全体の 感染対策と感染症診療への支援

当院の「感染症センター」は南大阪地区全体の肺結核・重症感染症および輸入・新興感染症の診療を推進しています。ICTは、「検査科」からの微生物検査結果と「臨床研究センター」からの微生物の遺伝子検査結果や迅速診断検査結果を基に、感染症センターと協力し、周囲の医療施設との連携による南大阪地区全体の感染対策と感染症診療の向上を目指しています。

ICTメンバー

メンバー ・委員長:橋本臨床研究センター長
・副委員長:永井感染症内科主任部長
・医師5名
・看護師8名
・薬剤師5名
・臨床検査技師4名
・事務局1名