画像診断科・放射線治療科
主な診療
- CT、MRIなどの画像検査や核医学検査などの画像診断
- IVR(interventional radiology)による血管塞栓術、動脈内薬剤注入術
- 乳がん検診(マンモグラフィー、画像診断)
- 放射線治療装置(リニアック)による放射線治療
持続する血痰・喀血に対する気管支動脈塞栓術
持続する血痰・喀血に対する治療は、原因となる肺疾患(肺癌、新旧の肺結核、非結核性抗酸菌症、気管支拡張症、肺アスペルギルス症など)や出血量に応じて様々です。少量の喀血では、安静と止血薬の投与による保存的治療により止血が得られることが多いですが、大量喀血の症例では積極的な治療を要します。喀血に対する気管支動脈塞栓術は、1974年にフランスのRemyらが有用性を報告して以来、我が国でも広く普及しています。
治療に先立ち造影CT検査を施行し、3D-CT画像のナビゲーションイメージから気管支動脈の分岐位置、本数をあらかじめ確認します。陳旧性肺結核や肺アスペルギルス症が原因の大量喀血では、気管支動脈以外に、肋間動脈、内胸動脈、外側胸動脈、下横隔動脈などが責任血管として関与することがあり、これらの動脈の関与の確認も行います。ナビゲーションイメージを活用することで、気管支動脈をはじめとする責任血管の選択に要する時間を短縮でき、X線被曝量の軽減と造影剤の使用量の軽減につながります。塞栓物質は、ゼラチンスポンジを1~2㎜角の細片にしたものを造影剤に混和して使用することが多いですが、時に、金属コイルや液体塞栓物質(NBCA-Lipiodol混合液)を使用する場合もあります。
画像は塞栓物質を注入した前後の画像を示します。
他に、上大静脈症候群に対するステント留置術、肺動静脈瘻に対する塞栓術なども対応しています。
主要検査
CT検査(高分解能CT)
人体に多数の方向からX線を照射し、それを検出器で読み取り、コンピュータで計算することで、人体を輪切りにしたような画像や立体的な画像を得ることができます。そのため、レントゲンよりもさらに詳細な情報を得ることが出来ます。当センターのCTはX線を受ける検出器が64列あり新しい技術により1回転で128スライスの画像を得ることができます。
検出器が増えることにより、きわめて多量の情報を短時間に得ることができます。
新しいCTは次のようなメリットがあります。
腹部造影CT(冠状断)
撮影時間が短縮され、検査がより楽に
息を止める時間が短く、より楽になりました。
高画質の画像で、より正確な診断が可能に
鮮明な三次元の立体画像、任意の断面の良好な画像が得られるので、これまで以上に正確な診断ができるようになりました。
冠動脈CTの実施
心電図と同期した心臓撮影が可能となり、高精度の冠動脈CT検査が可能になりました。
エックス線の被ばくをより少なく
従来のCT装置よりもエックス線の被ばく量を少なくする機能を持っています。低被ばく、低線量でも従来の画像と同等以上の高画質が得ることができます。2021年3月にCT装置のバージョンアップを行い、様々な機能が追加されました。
Snフィルタ
Snのフィルタを使用することにより、被ばくの原因となる低エネルギーのX線をカッ トすることができ、胸部や副鼻腔などの撮影は画質を落とすことなく1/3程度カットすることが可能となりました。
Dual Energy CT
胸部造影CT(Dual Energy)
MRI検査
MRIは強力な磁石と電磁波を使って、多種類かつ多方向の画像を撮影し、身体の内部の状態を調べる検査です。薬を使わない単純検査と、造影剤という薬を使ってより病気を見つけやすくする造影検査の2種類あります。
レントゲンやCTと異なりX線による被ばくがありませんが、強力な磁石を使うためペースメーカーや身体の中に金属を入れている方に関しては検査ができない場合があります。
検査は狭いトンネルのような機械の中に入って行います。検査中は大きな音が鳴りますので、音軽減のためヘッドホンや耳栓をつけて実施しています。
多くの画像を撮影しますので通常30分前後かかりますが、その分様々な種類の画像が撮影でき、例えば特定の病気を強調したような画像や、造影剤を使わなくても血管の画像などを撮影する事ができます。
マンモグラフィ検診(毎週 火、木曜日 ※要予約)
当施設は【マンモグラフィ施設画像評価認定】を取得しており、撮影は認定を取得した女性技師が担当致しますので安心してお越しください。
図のように2枚の板で圧迫固定して1方向または2方向の撮影をおこないます。
その他
- 一般X線検査(胸部単純撮影など)
- 消化管造影、子宮卵管造影、嚥下造影
- 血管造影検査とカテーテル治療、心臓カテーテル術
- 気管支鏡検査
- ラジオアイソトープ検査
放射線科設備
皆様はレントゲンという言葉はご存知かと思います。今から約100年前にレントゲン博士(第1回ノーベル賞受賞者)がエックス線を発見したことから、そう呼ぶようになりました。 診療放射線技師はこのエックス線を含め放射線を利用した専用機器を駆使し、患者様にとってより安全で有効な検査・治療ができるように努めています。
放射線診断部門
ここでは主に診断に必要な胸部、腹部、骨の画像を提供しています。特殊な撮影として、体の輪切りの像がわかるエックス線CT(ヘリカル)、心臓やお腹の血管の撮影や治療ができる血管撮影装置、そして強い磁場と高周波の組み合わせで体内にある水素原子などの分布や状態を調べて画像にするMRI装置があります。
当院ではすべての画像をデジタル化することにより、エックス線被ばくの量を減らすと同時に、診断・治療に必要な画像情報をより有効に活用できるようにいたしました。
また、一般の患者様との混在を避けるために感染症外来棟(別棟)にもエックス線撮影室を設置しています。
放射線治療部門
放射線治療装置として、リニアック(直線加速器)を使用し、腫瘍の治療を行っています。
治療の計画には、専用のエックス線CTシミュレーターを用いています。
2017年6月から定位放射線治療などの高精度治療を短時間にかつ高精度に行うことが可能な最新の放射線治療装置【True Beam(バリアン社)】で治療を行っています。
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