泌尿器科

主な診療

腎細胞がん

腎細胞がんは、腎臓にできるがんのうち、腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものです。腎細胞がんには、特徴的な症状はありません。そのため、小さいうちに発見される腎細胞がんは、他の病気のための検診や精密検査などで、偶然に発見されるものがほとんどです。肺や脳、骨に転移したがんが先に見つかり、結果として腎細胞がんが見つかることも少なくありません。腎細胞がんでは、CT検査、超音波(エコー)検査、MRI検査の画像検査で診断します。治療法は、標準治療に基づいて、体の状態や年齢、患者さんの希望なども含め検討し、担当医とともに決めていきます。腎細胞がんに対する標準治療は「手術(外科治療)」ですが、がんが小さい場合は、体への負担が手術よりも少ない「局所療法」が選択されることも増えてきています。また、がんが広がっていたり、転移がみられたりする場合に、薬物療法や放射線治療を行うこともあります。

膀胱がん

膀胱がんは、膀胱にできるがんの総称です。膀胱がんの大部分(90%以上)は膀胱の内部をおおう尿路上皮にできる尿路上皮がんです。膀胱がんの主な症状には、血尿や頻尿、排尿時の痛み、尿が残る感じ、切迫した尿意などがあります。血尿には、尿の色が赤や茶色になり目で見てわかる血尿と、顕微鏡で確認できる血尿があります。膀胱がんの検査では、まず尿検査を行い、尿の中に血液やがん細胞が含まれているかどうかを確認します。さらに、超音波検査や膀胱鏡検査を行い、がんであることがわかった場合には、転移の有無や膀胱内のがんの深さや広がりを確認するため、CT検査やMRI検査などの画像検査を行うこともあります。治療法は、がんの進行の程度に応じた標準治療を基本として、本人の希望や生活環境、年齢を含めた体の状態などを総合的に検討し、担当医と患者がともに決めていきます。標準治療として経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を行います。尿道から膀胱内に内視鏡を挿入し、がんを電気メスで切除する治療法で、病理検査も兼ねて行います。非浸潤性膀胱がんの場合、TURBTで治癒できることもあります。、TURBTの後に、筋層非浸潤性膀胱がんの再発や進展を予防する目的で、細胞障害性抗がん薬やBCG(ウシ型弱毒結核菌)を膀胱内に注入する治療法である膀胱内注入療法を行うこともあります。転移のない筋層浸潤性膀胱がんでは、膀胱を手術ですべて取り除く膀胱全摘除術を行います。膀胱を切除した後は、尿路変向(変更)術を行い、尿を体の外に出す経路を作ります。放射線治療は、がんに放射線をあてて縮小させる治療法です。膀胱がんでは標準治療ではありませんが、筋層浸潤性膀胱がんで膀胱の温存を希望する場合や、全身状態などから膀胱全摘除術が難しい場合に、TURBTや薬物療法などと組み合わせた集学的治療の一部として行うことがあります。進行していて切除が難しい膀胱がんや、転移や再発したがんに対しては、薬物療法を行います。薬物療法は、薬物を体内に取り入れ、がんの増殖を抑えたり成長を遅らせたりする治療法です。膀胱がんでは、細胞障害性抗がん薬や免疫チェックポイント阻害薬を使います。

前立腺がん

前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。早期に発見すれば治癒することが可能です。また、多くの場合比較的ゆっくり進行します。早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありません。しかし、尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの症状が出ることもあります。進行すると、上記のような排尿の症状に加えて、血尿や、腰痛などの骨への転移による痛みがみられることがあります。主な検査はPSA検査、直腸診です。これらの検査で前立腺がんが疑われる場合には、経直腸エコー、前立腺生検などを行います。がんの広がりや転移の有無は画像検査で調べます。前立腺がんの疑いがある場合、最終的な診断のために前立腺生検を行います。治療方法は、がんの進行の程度や体の状態などから検討します。治療法は、標準治療に基づいて、体の状態や年齢、患者さんの希望なども含め検討し、担当医とともに決めていきます。前立腺がんの主な治療法は、監視療法、手術(外科治療)、放射線治療、内分泌療法(ホルモン療法)、化学療法です。複数の治療法が選択可能な場合があります。PSA値、腫瘍の悪性度(グリーソンスコア)、リスク分類、年齢、期待余命、患者さんの治療に対する考え方などを基に治療法を選択していきます。

その他

その他、前立腺肥大症・過活動膀胱など排尿障害、腎・尿管・膀胱などの尿路結石、腎盂腎炎・膀胱炎・前立腺炎・精巣上体炎など尿路、生殖器における感染症なども診療対象としています。

主要検査

軟性膀胱鏡検査

経尿道的(尿道から)に内視鏡を挿入し、尿道・膀胱・前立腺を観察する検査です。当科では、細くやわらかく滑らかに曲がるスコープを導入し苦痛を大幅に抑え施行することが可能です。日帰りで行うことができ、検査日以前の準備や処置の必要もありません。

尿流測定検査 

この検査では、「尿流量測定装置」を使って尿の出方を測定します。いつものように排尿するだけで、尿の勢い・1回排尿量・排尿時間などを測定します。また、この検査の後に残尿を測定することにより、より多くの情報が得られます。

前立腺高音波検査

前立腺の形や大きさ、また前立腺内部及び周囲の状態を超音波で調べる検査です。お腹からの超音波検査は一般的ですが当科では専用のプローブを用い肛門から行います。経直腸的超音波検査は腹部からの超音波検査に比べて鮮明な画像が得られるため、より正確な検査が行えます。そのため、前立腺がんの超音波検査には直腸から行う経直腸的超音波検査が多く用いられます。