腎臓内科
主な診療
腎臓病について
腎臓病の原因には、糖尿病、加齢に伴う腎硬化症、糸球体腎炎、間質性腎炎、ネフローゼ症候群、遺伝性腎疾患、薬剤による腎障害、悪性腫瘍・膠原病・感染症に関連し二次的に発生した腎障害など様々あります。何が原因なのかを可能な限り診断し、患者さんにとって最適な治療を行うことを心がけています。
慢性腎炎
慢性腎炎は自覚症状に乏しく、多くは検診での検尿異常・腎機能障害で見つかります。数年~数十年かけて、緩やかに腎臓の炎症が進行します。放っておくと最終的に透析に至ることもある疾患ですが、早期に治療すれば治癒することもあります。検尿異常の全てが病気ではないため、鑑別診断を行い、腎生検という精密検査の要否を慎重に判断します。腎生検を実施し、活動性の高い腎疾患であれば治癒に向けてステロイドや免疫抑制剤などの積極的な治療を行い、治癒や進行抑制を目指します。
ネフロ-ゼ症候群
ネフローゼ症候群は原因のない一次性ネフローゼ症候群と、他の疾患(膠原病、悪性腫瘍、感染症など)や薬剤などが原因で発症する二次性ネフローゼ症候群があります。鑑別診断を行い、必要であれば腎生検による確定診断を行い、適切な治療を選択・実施します。診断に応じてステロイドや免疫抑制剤などの治療、さらにはLDL-アフェレーシスなどの特殊治療を含め、あらゆる選択肢の中から最良の治療を選択します。
腎機能低下
腎機能低下が急性であるか慢性であるか、鑑別診断を行います。
急性経過
急性の場合は原因を可及的に特定し、治療を行います。急性~亜急性の腎機能低下の原因として、腎炎が原因であることもあり、疑わしい場合は腎生検が適応となることがあります。
慢性経過
腎臓病が進行すると、原因となった疾患が何であれ、ネフロン(おしっこを作る微小な構造物です。健康な成人であれば1個の腎臓あたり100万個のネフロンが備わっています。)が減少することにより腎機能低下を来し、慢性腎臓病となります。慢性の経過である場合は、腎臓病の進行抑制をめざした投薬や食事療法を含めた総合的な治療を行います。
腎代替療法
保存的治療の限界と判断された場合は、腎代替療法への移行を考慮します。血液透析、腹膜透析、腎移植の十分な説明を行い、時間をかけて選択していただきます。腎移植は当院では行っておりませんが、移植対応可能な病院への紹介をさせていただきます。
透析合併症治療
様々な透析合併症に対し、合併症治療担当科と協力して診療に当たります。
電解質異常
ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質異常に対して、早期の鑑別診断と適切な治療を行います。
腎疾患以外の疾患に対する血液浄化療法
免疫異常が関与する疾患に対して、様々な血液浄化療法の有効性が確認されております。当科では、皮膚科、アレルギー・リウマチ内科、呼吸器内科などからの各種血液浄化療法の依頼に対応しております。
主な入院
- 腎生検入院:3日間
- 透析導入入院:約1~2週間程度
- ネフローゼ症候群や腎炎に対するステロイド・免疫抑制剤を使用する入院
- CKDの合併症に対する治療のための入院
- 電解質異常に対する治療のための入院
- 患者さんの病状によって入院期間は変わることがあります。
主な検査
腎臓超音波検査
腎臓超音波検査では、各々の腎疾患に特徴的な腎形態や、進行した慢性腎臓病にみられるような腎萎縮を評価するのに有用な検査法です。また腎臓の血液の流れなども評価ができるという利点があります。
腎生検
入院して検査を行います。腎臓の組織の一部を針で採取し、糸球体や尿細管間質といった構造物にどのような変化が起きているのかを評価します。通常は2泊3日で検査を行いますが、抗凝固剤・抗血小板薬などの血が止まりにくくなるお薬を内服されている患者さんは、10日間程度の入院が必要となることもあります。腎生検の直後には検査結果は出ないため、外来にて結果説明となります。
24時間蓄尿検査
慢性腎臓病の進行抑制において減塩や、患者さんによっては蛋白制限・カリウム制限などの食事療法が欠かせません。しかし、食事は人それぞれ異なっているため、どのような食事療法をどの程度行うのが良いか、評価が必要です。自宅にて24時間蓄尿検査を行っていただくことで、腎臓にとって良い食事療法ができているか、適時評価を行います。
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