アトピー・アレルギーセンター

アレルギー・リウマチ 治療と仕事・学業の両立支援センター

アレルギー・リウマチ疾患の患者さんが、適切な治療を受けながら、仕事や学業を続けるための両立支援センターを開設しました。
これは、厚生労働省の公募事業「免疫アレルギー疾患患者に係る治療と仕事の両立支援モデル事業」によるものです。
大阪はびきの医療センターは、令和6年度に引き続き、令和7年度もモデル事業に採択されました。
当両立支援センターでは複数領域の専門医(アレルギー・リウマチ内科・皮膚科・耳鼻咽頭・頭頚部外科・小児科)と主治医、多職種スタッフ、両立支援コーディネーターが協力し、治療とともに、仕事の継続や学業に臨める両立環境をチームで支援します。

令和6年度 両立支援事業の活動報告

両立支援コーディネータによる重症アトピー性皮膚炎患者さんへ聞き取り調査

「治療と仕事の両立で困難と感じたこと、両立のためにあれば良いと考える支援などについて」調査し、以下の課題が明らかになりました。
 

  • 職場での業務や通勤においてアレルギー疾患のために複数の負担感がある
  • 職場での疾病管理に関する理解の不足
     定期通院日の確保、改善のための教育入院の必要性、悪化時の通院日の確保
     休日受診可能なクリニックだけでは改善しない患者の存在
     アレルゲン、刺激物質回避の必要性
     業務配置、労働環境への配慮
     疾患自体に対する理解 など
  • 医療機関での各患者の職場での労働環境やその改善方法に関する理解の不足
  • 疾患が良好にコントロールされると労働生産性が上がる
  • アレルギー疾患特有の対応上の困難点;本来の疾患コントロールが不十分なのか、環境に問題があるのかの見極めが容易ではなく、職場環境の改善だけではなく治療方法を修正することで両立できるケースが少なくない。
  • 就職前、社会人になる前に疾患コントロールが十分安定していることが重要
  • 長期間にわたる引きこもりなどの社会不適応を併存したケースは本人のペースに合わせたゆっくりとしたサポートが必要

令和6年度 両立支援取り組み事例

    1. 定期受診ができず、極端に悪化のたびに救急入院、休業をくりかえしていた最重症アトピー性皮膚炎
      ⇒安定した症状のコントロールと通院休暇の確保、症状悪化による欠勤ゼロ
    2. 頻回入院をくりかえしていた重症アトピー性皮膚炎の中・高校生
      ⇒安定した症状のコントロールと入院欠席ゼロ
    3. 幼少期から持続した重症アトピー性皮膚炎の高校生
      ⇒抗体製剤導入、高校卒業後は投与間隔延長のうえ、治療と仕事を継続
    4. 就職後に悪化したアトピー性皮膚炎
      ⇒職場環境の調整と治療方法への介入によって症状改善・就労継続
    5. 作業用手袋による接触皮膚炎(複数例)
      ⇒検査によるアレルゲン除去によって改善
      ⇒アレルゲン除去だけでは効果不十分⇒皮膚炎への治療介入によって改善
    6. 多品目の食物アレルギーをもつ学生
      ⇒食物を取り扱う職種に無事就職
    7. 原因が職場にあると思われ出勤困難になっていた重症蕁麻疹
      ⇒薬剤変更後欠勤ゼロ

    令和7年度 両立支援事業

    両立支援対象

    1. 既に就労しているアレルギー・リウマチ疾患患者の治療と仕事の両立支援(家族にアレルギー・リウマチ疾患患者を持つ就労者を含む)
    2. (将来の就労を見越した)思春期重症アレルギー疾患(重症アトピー性皮膚炎など)患者に対する積極的治療の啓発・推進
    3. 重症アレルギー・リウマチ疾患(重症アトピー性皮膚炎など)のために就労経験の乏しい若年成人患者に対する治療の啓発・就労支援

    相談日時

    【相談日時(予約制)】初めての方は平日14:00-15:00
              継続の方は平日15:00-15:3015:30-16:00
    【担 当】 両立支援コーディネーター
    【相談料】 無料

    両立支援の流れ