脳神経外科

診療科の特色

当センターでは、地域の皆さまの脳神経外科疾患に対する診療体制を充実させるため、令和8年9月から脳神経外科を新たに開設しました。
これまでさまざまな医療機関で、脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷など、幅広い脳神経外科疾患の診断・治療および手術に携わってきた経験豊かな医師が、患者さん一人ひとりの病状に応じた適切な診療を行います。
脳神経外科領域の疾患について、治療の必要性や治療方法についてのご相談にも対応し、地域の皆さまが安心して受診できる診療科を目指します。また、地域の診療所や医療機関との連携を大切にし、必要に応じて専門的な治療を行う医療機関とも連携しながら、地域の脳神経外科診療に貢献してまいります。

脳神経外科疾患の診療 ー手術の必要性を含めた治療方針のご相談ー

脳神経外科疾患は、疾患の種類や病状によって治療方針が大きく異なります。
当センターでは専門医がこれまでの診療経験を活かし、手術や専門的な治療が必要な場合だけでなく、経過観察が適切な場合も含め、患者さんにとって適切な治療方針を検討します。

地域の医療機関との連携 ー脳神経外科についてお気軽にご相談くださいー

脳神経外科領域の疾患について、診断や治療方針に関するご相談、ご紹介を積極的にお受けします。
当センターでの診療が適切な患者さんについては当科で診療を行い、より専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関と連携して診療を進めてまいります。

チーム医療 ー院内の多職種・他診療科との連携ー

脳神経外科の診療では、疾患そのものだけでなく、患者さんの全身状態や生活背景などを含めて診療することが重要です。
当科では、医師だけでなく、看護師、リハビリテーションスタッフ、薬剤師、管理栄養士、放射線技師、臨床検査技師など、多職種と連携し、患者さんの状態に応じた診療を行います。また、必要に応じて院内の他診療科とも連携し、全身疾患やその他の疾患を有する患者さんや手術・治療に際して専門的な管理が必要な患者さんについても、当センターの幅広い診療機能をフル活用して診療が行えるのは、当センターならではの強みです。

頭痛の診療 ー頭痛でお悩みの方へー

頭痛は身近な症状である一方、「鎮痛薬を飲んで我慢するもの」と考えられてきた面があります。しかし、頭痛にはさまざまな種類があり、適切な診断と治療によって、症状が大きく改善することがあります。特に片頭痛では、トリプタン製剤や抗CGRP抗体薬など治療の選択肢が広がっています。
服薬方法の見直しや生活習慣へのアドバイスを含め、適切な治療を行うことで、これまで長年頭痛に悩まされてきた方が「生活が大きく変わった」と感じられることもあります。
長年頭痛に悩んでいる方や、鎮痛薬を飲むことが増えてきた方も、ぜひ一度ご相談ください。頭痛のタイプや症状に応じて、必要な検査を行い、一人ひとりに合った治療を考えていきます。

頭痛について

対象疾患

脳神経外科では、脳や神経に関わるさまざまな疾患について、診断や治療方針の検討を行います。
当科では、地域の医療機関からのご紹介やご相談にも積極的に対応し、患者さんの病状や治療の必要性に応じて、当センターでの診療または適切な医療機関との連携を行います。
代表的な疾患は以下の通りです。

1.脳血管障害(脳卒中)

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など
脳血管障害について、かかりつけの医師や脳ドックなどで脳神経外科への受診を勧められた方、地域の医療機関からのご紹介を積極的にお受けします。CTやMRIなどの画像検査をもとに、病状の評価や今後の治療方針について検討し、ご説明いたします。
一方、突然、手足が動かしにくくなった、ろれつが回らなくなった、経験したことのない激しい頭痛が起こった場合などは、緊急の対応が必要です。脳卒中が疑われる場合には、救急車を要請するなど、一刻も早く救急対応が可能な医療機関を受診してください。

未破裂脳動脈瘤
脳ドックなどで偶然発見されることも多い疾患です。脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血を起こす可能性があるため、破裂のリスクと治療に伴うリスクを考慮したうえで、慎重に治療方針を検討する必要があります。
治療には開頭による手術と血管内治療がありますが、脳動脈瘤の大きさや形状、部位などによって破裂のリスクや治療方法が異なります。MRIなどの画像検査をもとに、一人ひとりの状態に応じて治療の必要性や方針を検討します。

もやもや病
脳へ血液を送る内頸動脈の末端部が徐々に狭窄・閉塞し、脳への血流が不足する疾患です。
小児から成人まで発症する可能性があり、脳虚血による一過性の麻痺や言語障害などで発症することがあります。
症状や脳血流の状態などを評価し、必要に応じて血行再建術(バイパス術など)が検討されます。また、成人では脳出血で発症することもあります。

2.脳腫瘍

脳実質から発生する腫瘍(グリオーマ、膠芽腫など)、髄膜腫、下垂体腺腫、転移性脳腫瘍など。
頭蓋内に発生する腫瘍にはさまざまな種類があり、腫瘍の種類や大きさ、発生部位、症状などによって治療方針が異なります。
手術だけでなく、経過観察や薬物療法、放射線治療などが適切な場合もあり、病状に応じて治療方針を検討します。

髄膜腫
脳を包む髄膜から発生する腫瘍で、多くは良性ですが、発見後ほとんど大きくならないものから、徐々に増大して脳や脳神経などを圧迫するものまで、その経過はさまざまです。
治療は、腫瘍の大きさや発生部位、増大の程度、症状などを考慮して決定します。
小さく症状のないものでは、定期的な画像検査による経過観察が選択されることもあります。
一方、増大傾向がある場合や、脳・脳神経への圧迫によって症状が生じている場合には、手術による摘出が検討されます。また、腫瘍の部位や大きさによっては、放射線治療(ガンマナイフなど)が適している場合もあります。
髄膜腫の中には、まれに進行の速いものもあるため、経過観察を選択する場合には、定期的な画像検査で腫瘍の変化を確認することが大切です。

下垂体腺腫
下垂体は、全身のホルモンを調節する重要な器官です。下垂体に発生する腫瘍の多くは良性ですが、ホルモンを過剰に分泌するものと、ホルモンを分泌しないものがあります。
下垂体の近くには視神経や視交叉があるため、腫瘍が大きくなると視野障害が生じることがあります。
特に視覚症状がある場合には、早期の評価と治療方針の検討が重要です。
治療は、腫瘍の種類やホルモンの状態によって異なり、薬物療法で腫瘍を縮小できる場合もあります。
手術が必要な場合には、鼻から内視鏡を用いて腫瘍を摘出する経鼻内視鏡手術が行われます。

転移性脳腫瘍
肺がんや乳がんなど、全身のがんが脳へ転移することで生じます。腫瘍の大きさや部位、個数、全身状態などによって治療方法が異なります。
脳浮腫などによる症状に対して薬物療法を行うことがあります。
そのうえで、放射線治療、手術などを組み合わせて治療方針を検討します。

3.頭部外傷

急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、脳挫傷、脳震盪、頭蓋骨骨折、慢性硬膜下血腫など。
頭部外傷では、受傷直後には症状が軽くても、時間が経過してから症状が悪化する場合があります。
意識がはっきりしない、受傷前後の記憶がない、普段と様子が違うなどの症状がある場合には、早期の受診が必要です。

慢性硬膜下血腫
頭部を打撲してから数週間~数か月後に、脳と硬膜の間に血液がたまり、脳を圧迫する疾患です。
頭痛や歩行障害、物忘れ、意識状態の変化などの症状がみられることがあります。
症状や血腫の状態によっては、頭蓋骨に小さな穴を開けて血腫を排出する手術を行います。

4.水頭症

脳脊髄液の循環や吸収に障害が生じ、脳室などに髄液が過剰にたまる疾患です。

特発性正常圧水頭症(iNPH)、Hakim病
主に高齢者にみられ、歩行障害、認知機能の低下、尿失禁などの症状がみられることがあります。
これらの症状が徐々に進行する場合には、特発性正常圧水頭症の可能性があります。
適切な検査によって診断を行い、手術によって症状の改善が期待できる場合があります。

5.頭痛

片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など、さまざまな頭痛の診断・治療を行います。